夢だったら・・・

1999年8月24日(火)

耳はちょっと前から痩せてきて、歩き方もぎこちなくなっていた。
この日、会社から帰ると耳は背を向ける感じで横たわっていた。
でも、割といつもこんな感じなので気楽に声をかけた。反応がない。
家を揺らした。耳は動かない。
しかし、お家の下(底に車がついているので、畳との間に隙間がある)から突然ゴキブリが飛び出して来た。
普段だったら一大事なのだが、耳が動かない事の方が一大事だ。
一応殺虫剤を吹き付けたら棚の下へ逃げて行った。だから、いつか死体回収のために棚をどかさないといけない。
少し呼吸を整えてから、耳に触れてみた。冷たい。
耳はすました表情をしていたが、横になっていたため、左半分の顔が歪んで面白い顔になってしまっていた。
飼い主は少し泣いていたが、すぐにとてつもない疲労感におそわれて眠ってしまった。
気がつくと朝だった。ゴキブリはでるは面白い顔だは、きっと悪い冗談だ・・・という気がした。
耳を見ると、当然だが面白い顔のまま横たわっていた。
お墓にしているプランターには3匹の大人と2匹の仔ハム。もう定員いっぱいなので、
部屋の窓の下の狭いけれど土のあるスペースに耳を埋葬した。(飼い主の部屋は1階)

耳はハムの次に家に来た子で、知り合いの人に買っていただいた子だった。
家では唯一のデパート出身者で、毛並みがキレイでやわらかくってイキの良い子だった。
きっと元気で長生きしてくれるだろうな・・・って思っていた。ついこの間まではその元気を保っていたのだ。
でも、最近急に痩せてきて、お腹の触り心地が変だった。
寿命で死ぬにしては急すぎる。もしかしたら癌とかにかかっていたのかもしれない。
変だな・・・と思った時に病院に行っていればあるいは助かったのかもしれない。

耳は体育会系のノリでずいぶん笑わせてくれたものだったが、死に顔でまで笑わせてくれなくてもよかったのにな・・・。
耳は可愛らしいハム達の中で、カッコよさは1番だった。文句なくカッコ良かったよ。
たくさんの思い出と笑いをくれてありがとう。
耳の孫のピーナッツが耳そっくりだ。ウリウリもそっくりだった。
耳がいてくれたおかげで、今あの子がいる。
耳と同じ毛並み。耳と同じ匂い。耳と同じやわらかさ。で、ウリウリみたいなトロさ。
来年の春、仔ハムに挑戦しようと思っていたが、なんだか今年の秋でもいいかなぁ・・・と思い始めた。

ここ1ヶ月の間にウリウリが亡くなって、ハム爺さんが亡くなって、そして耳が・・・。
夢だったらさめてほしい・・・




8月12日の耳。下の写真と比べるとやっぱり元気そうだった。


亡くなる2日前の耳。最後の写真。